『マルコヴィッチの穴』をみた
つぎは『マルコヴィッチの穴』。
1999年
オフィスの穴がマルコヴィッチの頭に通じているというのはほんとうに独創的。
ただ、個人的には今週号の『ニューズ・ウィーク日本版』の講評をみて見たくなったのでイメージがまったく違ってびっくりした。
もう少しコメディかと思っていた。
いろいろとテーマがちりばめられていたとは思うのだが、わかりづらい印象。
しかし、アイデアはすごい。
途中、マルコヴィッチの心象風景、たとえばマルコヴィッチ自身が自身にはいったときの「みんなマルコヴィッチ状態」とか、追われているときの幼少期〜青年期の心象風景は暗く、なにかどす黒いものを感じさせたが、あれは実際に「マルコヴィッチ」のものなのだろうか。
なんのメタファーなのだろうか。
鑑賞後は、だれに心を近づけたかで感想はくるりと変わりそうだが、私はバッドエンドのために作られたような、次の器へ移ってしまってだれも省みることもなく、さらには子の視覚を通して知覚してしまうクレイグの人生にほええと思った。
あれ、けっこう残ってしまうひといるんでないかねえ。
まあいいや。
おしまい。