yuichi0613's diary

yuichi0613の雑記、写真、日々の記録。

産経社長、住田良能氏

2月16日に行われた産経新聞社会社説明会席上、サプライズ講演として代表取締役社長の住田良能氏が学生相手に語った。
率直な方で、とても好感を持てた。
以下、講演の内容。

※問題があるようなら言って下さい。下げます。
(ちなみにコメントははてなユーザーのみです。)

あえてこの時代に新聞に興味を持ってくれたことに大変感謝いたします。この激震、激変の時代、新聞業界の不況は構造的なものです。
しかし、やはりジャーナリズム、新聞の意義というのをきちっと認めて、なおかつこの困難な時代に、一緒に新聞つくりをやろう、新聞が新しい時代にふさわしく変身していくようにやっていこうという志を持ったひとだけ、来てほしいと思っています。
というのはね、安定を求めて、そして終身雇用に支えられて、毎月毎年、少しづつ給料が上がって、定年まで大丈夫だろうというひとは、産経新聞は辞めたほうがいい。
この世界、大変な、まあ言い募ったらきりがないけどね。ただ、考えてほしいのは、新聞という言論機関がほんとうに廃れて無くなってしまった社会を考えたときに、これは日本の社会にとって、空恐ろしいことだろうと私は思っています。
つまり、いまたしかにひとりひとりがこんなに手元に多くの情報を得ることが出来る時代はいままでなかったわけですね。
そういう意味で、新聞の価値が非常に相対化してしまっているんじゃないか、それも事実なんですね。
しかし、新聞が果たす報道・言論の機能、意義というのは、高まりこそすれ、低くなることはまったくないと私は考えてます。
というのは、これだけ国民ひとりひとりが手に入れる情報が多様化してるようになればなるほど、「じゃあ、本当のところはどうなんだ」「どう考えればいいのか」というのは重要になっていきますし、インターネットには大変充実したニュースサイトがいろいろありますけど、じゃあ自前でニュースを供給できるところはどれだけあるのかというとになると、ほとんど新聞がニュースの供給源となっているわけですね。
こういったメディアのなかで、逆に言えば新聞は企業として大変しんどい状況になっているわけです。
そのなかでもあえて日本の国、社会、国民にとってきちんとした言論・報道機関の集団が必要だという思いでトライしてくれるひと、そういった志をもったひとにぜひ参加していただきたいと思うんです。
こういった経済情勢ですので、おそらく今年の試験の募集人員は絞らざるを得ないけど、私たちはどんなにしんどくても一定の数の新入社員を迎え入れて、さまざまなノウハウや考えを引き継いで、この産経新聞社、あるいは産経新聞グループを次の世代へ向けても発展させていかなければならないと考えています。
ただ、繰り返しになりますが、この安定とか継続というのは保障されているものではない。
あけすけに言うと、そういうことです。
ただ、多彩な事業展開をしてるし、インターネットへの取り組みも産経新聞は先進的なものがあります。
ただし、油断はできない。
ある日突然、たとえば産経新聞の作ったサンケイデジタルという会社のサイトが、いまでは多いときで月間のページビューが9億を越えるまでになって大変な収益をあげているけど、これだってある日突然ひっくり返っているかもわからないし、また今日、小さい産経新聞も明日は大きく変身できるかもわからない。そういう可能性を秘めたのがこの激変の時代だと考えてます。

約6分のスピーチ。このあと質疑応答がつづくが割愛する。

これを聞いたとき、脅しだな、と思った。
ただ、どれだけこの脅しが本気なのかはわからない。

社長がスピーチの後半、産経に安定を望むべきではないという発言のあと、「あけすけに言えば、そういうことです」と述べている。
そういうことというのは文脈から言うとどう考えても経営不振以上のこととにしか思えない。

産経の不調は雑誌のダイヤモンドや東洋経済も書いているけど、新聞業界に詳しい知り合い数人からもあまりよい状態でないと聞いた。

前出の東洋経済の特集(1/31特大号)では、勤続10年以上の40〜50歳代社員を対象に「今年度、来年度と2回に分けて合計約100人の希望退職を募」り、「全社員数(08年9月末で2287人)のおよそ5%」という、「大手全国紙としては事実上初となる大幅な人員削減」を行う予定だ。

「安定、継続は保障されない」
この脅しはどれくらい本気の脅しなのだろうか。