yuichi0613's diary

yuichi0613の雑記、写真、日々の記録。

「泣かせ記者」

原寿雄『ジャーナリズムの思想』読んでる。
すごいおもしろくていい本だ。
1997年発行でありながら、ジャーナリスティックな事象について普遍的な原則を見事に書ききっている。


そんななか、「客観報道主義と署名記事」のp.153にタイトルの話が。

しばらく前まで、どこの新聞社にも「泣かせ記者」といわれる名文家がいたものである。悲しい事故や事件などがあると、文章のうまいこれらの記者が起用され、読者の涙を誘う情緒的な記事を書いていた。これも表現による世論操作の一つである。

このあと、戦時中の従軍記者の名文家が国民のナショナリズムをあおり、戦争推進に荷担をしたとしている。

この名文家、「泣かせ記者」というのはどんな記者なんだろうか。

不勉強で大変申し訳ないが、まったく知らなかった。
原氏によるとそれぞれの新聞社に「泣かせ記者」がいたと書いている。
新聞は客観性を重視するメディア、報道機関である一方で、戦前〜戦後と多くの読者にとって「娯楽の提供」をするメディアでもあった。
この「泣かせ記者」は、なにか日本の新聞記事の一時期のメンタリティを体現しているのではないかと読んで思った。

研究したら面白いかな。