高畑勲氏のインタビューをメモ
たまたま娘に見せようと思って借りた、ジブリのアニメーション「パンダコパンダ」に特典映像で高畑勲氏のインタビューが収録されていた。
インタビューアは坂上みき氏。2001年に収録。
気になったところだけメモ。
ミミからハイジへ パンダからトトロへ ~高畑勲・宮崎駿の原点~
高畑氏:
「パンダコパンダ」は、そのあとの仕事の基本になったもののなかで、大切なもの。仲間と一緒に同じことを考えて、それを実現した。
高畑氏:
児童文学に「Every Day Magic」というのがある。
地にしっかり足をすえて物語をつくったほうがいいということを思った。
高畑氏:
宮崎駿は、男系家族なんです。女性への憧れ、こうあってほしいというのが強い。
なので健気で…ご存じのとおりの女性像が出てくるんです。
高畑氏:
(2作目の「雨降りサーカス」について)
水底に街が…というのに心がときめく。
宮崎駿は、漠然としたイメージ…こうすれば心がときめくんじゃないかというのを具体的なイメージボードに書き、大きな説得力を持つことができる。
どういう話をするかというより、次の話をこういうものを実現したらどうかというイメージを持ち出すことができる。
子どもたちが生きている日常が一変する、こんなに心がときめく、というのが「パンダコパンダ」の2作品。
「水の中が…」となればどんなに心がときめくだろう、というのを実現してみたい。
そういうファンタジー。
高畑氏:
(「○○の2作目をつくってほしい」というのは言われるが)
同じものをつくるわけにはいかない。
ディズニーの方の講演を聞いたとき同じ話をしていて、
「いつもピノキオをつくっているわけにはいかない」と。
作り手としてはそう。
そのときどきの状況に応じて作品を作っている。
「ピノキオ」はすごい予算をかけて技術的にすごいことをやっている。
ほかの作品に求める声もあるだろうが、同じことをやるわけにいかないということ。
高畑氏:
(改めて「パンダコパンダ」に対して感じること)
スタイルが変わった。
非常に簡潔で、好きなんですね。
最近はアニメーションが進化して、密度が高まってしまった。
それは必然性があったのだろうけど、
ほっとする、これくらいの密度でしっかり作られていたらいいのではないか。
作り込めば、キリがない。
抑えて、説得力やリアリティもある込み入っていないもの。
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密度の話なんかとても面白いなあ。
ほかにも日常の説得力があったうえで物語がある、といった話もあり面白かったのでメモ。