yuichi0613's diary

yuichi0613の雑記、写真、日々の記録。

25日に公開された米有力紙のまとめ読みができる「オンゴー・ドットコム」

これがもし日本で実現したら、どうなるだろ、と(例えば大手紙がほとんど読める、とか)。
新聞紙で読まなくなるかな。どこまで記事で読めるかにもよりますが。



オンゴー・ドットコム(Ongo.com)というサービスが今月25日に公開された。

アメリカの有力紙ニューヨークタイムズ(NYT)社、ワシントンポスト(WP)社、有力なメディア・コングロマリットのひとつであるガネット社(Gannett Co.)の傘下の記事の一部または全部を、月額6.99ドルで読めるサービス。
日本円にして約570円。




だいたいの概要について、26日付けの毎日jpより。
米主要紙:月額580円 共同課金サイト開設 - 毎日jp

基本料金で配信されるのはニューヨーク・タイムズ、英フィナンシャル・タイムズの一部記事と、ワシントン・ポスト(紙面版)、USAトゥデー、AP通信の配信記事など。料金を追加すればボストン・グローブ紙や英ガーディアン紙などの記事も配信される。サイトには広告を掲載せずに記事だけ提供する。
米主要紙:月額580円 共同課金サイト開設 - 毎日jp

オンゴーの本サイトによると、現時点での対象メディアは以下の24社。うまくいけばもっと参加するメディアが増えそうではある。
なお、NYTやフィナンシャル・タイムズの文末にある「Picks」「Selected Content」というのは、「全文配信」ではなく「コンテンツの一部」ということである。

The New York Times Picks
USA Today
The Washington Post
The Associated Press
Financial Times Selected Content
Anchorage Daily News
The Boston Globe
The Boston Globe Editors Choice
Charlotte Observer
The Cincinnati Enquirer
The (Louisville, KY) Courier-Journal
The (Rochester, NY) Democrat and Chronicle
The Des Moines Register
Detroit Free Press
Fort Worth Star-Telegram
The Guardian Full Edition
The Guardian International
The Indianapolis Star
Kansas City Star
The Miami Herald
Raleigh News Observer
The Sacramento Bee
Slate
The (Nashville, TN) Tennessean
オンゴー・ドットコム

本サイトのaboutや、毎日新聞によるサイト広報担当者への取材によると、このサイトの売りが「多くのニュースを単一のプラットフォームで受け取れること」であると述べている。
引き続き毎日の記事。

 オンゴー社の広報担当者は毎日新聞社に「オンラインユーザーの12%が連日、6以上のニュースサイトを見ているとのデータがある」と指摘。「そうしたユーザーにわが社のサイトはより容易にニュースを提供できる」と述べた。
米主要紙:月額580円 共同課金サイト開設 - 毎日jp

この調査がどういうものかは示されていないが、「連日、6以上のニュースサイトを見ている12%のオンラインユーザー」がこのサービスのターゲットということなのだろうか。
仮に素晴らしい成果が得られるとしても、お金を払うのはこの12%のうちさらに少数だろう。なかなか難儀なターゲットである。


売りについてもうひとつ。
ひとところで複数の社のニュースが読めるのと同時に、「Ongo is a personal news service 」であると述べている。
なので、取得できる記事については、その人の趣向によってカスタマイズが可能。26日付けのWSJ日本版より。
【ブログ】NYタイムズ、Wポストなどの読み比べサイトがスタート / The Wall Street Journal, Japan Online Edition

オンゴーでのニュース選択は編集者とアルゴリズムの混合になる。有料購読者は「マイトピックス」と呼ばれるサービスを通じ、自分自身のニュース・フィードを作ることができる。またあとで読むための「クリッピング」というサービスもある
【ブログ】NYタイムズ、Wポストなどの読み比べサイトがスタート / The Wall Street Journal, Japan Online Edition

(英語の元記事はこちらのWSJブログ*1

記事で紹介されていないその他の機能としては、自身が招待したユーザーと議論や情報共有ができる「クラブズ(Clubs)」もある。




運営はオンゴー社。
先述の3社が各社400万ドルで計1,200万ドルの共同出資しており、各社それなりの負担をしている。
沈みつつある新聞業界で、これまで無料で提供されてきたウェブ上のニュースにいかに課金できるか、その試行錯誤のひとつとして意欲的なものである。
デスクトップやiPad、その他のデバイスでの「A New Way to Get Your News*2」のひとつの形ですね。





登録について。
1日無料のフリーデイ・パスも、サイトからメールアドレスを入れ込むことで獲得できるので、試しにやってみるのもいいかも。ちなみに、有料の会員登録すると最初の一か月は無料になるっぽい。
なお、払込みはアメリカだけにクレジットカードの情報を記入するようになっている。
また、住所も正確に入れ込まないといけないみたいだ(国は当然、デフォルトで米国になってる)。

どのように操作するのか。
チュートリアル動画はこちらを。

動画では、「Discover…」「Read…」「Share…」に分けて説明してくれている。


いくつか画面をキャプチャしてみた。
・「オンゴー」を開く


・マイクリップから任意サイトやカテゴリを選択


・個別記事の見た目、写真も拡大できるみたい


本サイトでもビジュアルの見本があるので興味ある方は。
(※pdf)Take a visual PDF tour of Ongo




実際の画面を見ると、iPadでの閲覧に合いそうだなと感じたり。

ユーザーが「ひとつの場所で各社の記事が読めること」、それに「届けられる情報をカスタマイズできること」にどれだけ魅力を感じるか。570円を払っくれるのか。

新しい試みの成否、注目していきましょう。




...余談
TOPにアクセスすると、文言が変わる。
何回か更新してみたら、どうやら以下のふたつのようだ。

Welcome to Ongo.
Your news like never before.
The Web gives us access to an unprecedented amount of news.
Ongo is transforming the way we experience it.

Ongo is all your news,
all in one place.
With a growing list of publications to choose from,
Ongo serves just the news you choose from the sources you trust.

さらに余談だけど。
NYTとWPなど競合他社との協力という意味では、Googleの「リビング・ストーリーズ(livingstories)」が思い出される。詳しくはこの記事を参照
こちらも、「ひとところであるテーマの各社の記事が読める」ことが売りだった。
昨年の年初に開始されたがどうなったかと、さっきこちらを見てみたら「no longer being updated with the latest news*3」だった。
試験的なもので、2009年12月から2010年2月で終了。いまはフォーマットだけ残っていた。

*1:[http://blogs.wsj.com/digits/2011/01/25/new-york-times-washington-post-team-up-on-aggregation-site/?KEYWORDS=Russell+Adams+:title=N.Y. Times, Washington Post, Gannett Team Up on Aggregation Site - Digits - WSJ]

*2:http://ongo.com/about.php

*3:http://livingstories.googlelabs.com/