Yahoo!とAP通信の新たな合意について
アメリカのYahoo!とAP通信の間で、記事配信のための使用許可契約について合意に達したと発表があったとのこと。
WSJのRussell Adams記者による記事。
新聞・通信社を含む出版業界の一部では、ポータルサイトがメディアのコンテンツの配信で不当な利益を得ているとの不満があるが、今回の合意は、報道機関が直面するこのような重要な問題への指針を示すことになる可能性がある。
「ポータルサイトがメディアのコンテンツの配信で不当な利益を得ているとの不満」に対する、「重要な問題への指針を示すことになる可能性がある」というのがポイントですね。
実際の交渉内容については。
APはヤフーのほか、グーグル、マイクロソフトとも新しい契約内容での更新に向け交渉を続けている。関係筋によれば、AP側の主要関心事の一つは、APやAP加盟新聞社の記事がオンライン上で転載されていくのを追跡するシステムの開発で、完成後にはネットサービス会社が追跡システムをサポートするよう希望している。
APはまた、加盟新聞社からの収入が減少していることから、ネットサービス会社に使用料の引き上げを求めている。
AP側が気にしているのは、以下のふたつ。
- APやAP加盟新聞社の記事がオンライン上で転載されていくのを追跡するシステムの開発、完成後にはネットサービス会社が追跡システムをサポートするよう希望
- ネットサービス会社に使用料の引き上げ
単純な関心だけど。
ニュースがオンライン上でどのように拡散していくのか、その経緯というのは、私も非常に関心がある。
実際にどの段階まで把握できるかはちょっと想像できないけど、
ニュースの伝搬を可視化できるような図や映像があると面白そう。
ネットワーク論的な図とか見てみたい。
以上閑話休題。
仮にニュースの「追跡」が可能になったらどう生かすのか。
情報のハブになっているニュース・アグリゲータ―やアグリゲート・サービスの特定はできそう(一番大きなハブはYahoo!だろうけど)。
ふたつめの「ネットサービス利用料」は、日本でもそんなに高いものではないと聞く。
ちなみに日本のYahoo!にニュース提供しているメディアは、こんなかんじ↓
ニュース提供社 - Yahoo!ニュース
すでに朝日、日経は提供していない。
読売はYahoo!側から引きとめられているんでしたっけ?
大きく見ると、無料で流通しているオンライン・ニュース流通の現状を変えようという試み。
マードック氏などが先鞭を付けているサイト有料化などとも動きのベクトルは同じか。
「ネットは無料」という文化がこうした動きとぶつかって変容するのか。
アメリカでの動きに注目。