明日、2月2日にiPad専用日刊新聞「The Daily」発表されるとのこと。特徴とか。
(今回はマイコミさんのネタが多い。)
好奇心が揺さぶられるiPad専用日刊新聞「The Daily」。
明日2/2に発表ということです。
数日前の記事ですが。
iPad日刊紙「The Daily」の発表イベントがようやく2月2日に正式決定 | ブック | マイコミジャーナル 1/28付け
昨年2010年末から何度も発表延期が伝えられてきた米News Corporationと米Appleの共同プロジェクト「The Daily」だが、最終的な発表スケジュールがようやく2月2日(米国時間)に決定したようだ。メディア関係者にイベント招待状が送付され始めたことを、英Reutersなど複数のメディアが報じている。
iPad日刊紙「The Daily」の発表イベントがようやく2月2日に正式決定 | ブック | マイコミジャーナル
iPad用「日刊新聞」をメディア王・マードック氏が多くのコストをかけて創刊を準備しているということで、色々なところで話題になっている。
かく言う私も当然、これが成功するか大きな関心がある。
で、実際どういうものなんだろと思ったので、現状、出ている記事をまとめてみると、以下のような特徴が挙げられている。
- 特徴１：iPad専用の日刊新聞であること
- 特徴２：編集部は大手メディア経験者など１００人体制
- 特徴３：定期購読ができるようになる
購読料は、1週間99セント、一か月で4.25ドルのiPadのみで閲覧できる日刊新聞。編集部も、他の大手紙などから参加し、１００人体制で臨むとのこと。
説明が必要なのは、３番目の「定期購読」について。
iPad日刊紙「The Daily」遅れで噂される、Appleの"課金ルール強化"とは? | iPad | iPad*iPhone Fan
IT、ネットに強いアメリカのネットメディア「All Things Digital」のKafka氏のレポートとして、
The DailyのデビューにあたってサブスクリプションサービスがiTunesに導入されることが改めて明記されており、遅れに関してこのサービス導入との関連が予想される。
iPad日刊紙「The Daily」遅れで噂される、Appleの"課金ルール強化"とは? | iPad | iPad*iPhone Fan
ここで言う「定期購読」とは、App Storeの課金方式についてのこと。
以下、サブスクリプションの説明を引用。
これまで、デジタルマガジンのようなコンテンツ配布にあたっては、まずApp Storeでリーダーアプリを配布し(無料または1回分のコンテンツ込みで有料)、追加コンテンツを別途「In-App Purchase」という仕組みまたは別契約を通して追加購入する必要があった。
サブスクリプション導入後はこのフローが統一され、iTunes Store経由で自動的に一定期間ごとに課金が発生するようになり、支払窓口が一本化されることになる。
iPad日刊紙「The Daily」遅れで噂される、Appleの"課金ルール強化"とは? | iPad | iPad*iPhone Fan
以下の記事のように、電子雑誌の定期購読が実現されていないことが低迷につながっているとする意見もありますので、サブスクリプション導入によって定期購読ができるようになったら、いまの電子雑誌の購読数の状況が変化するかも。
iPad向け新聞 "The Daily" 2月2日発表、定期購読を実現か engadget.com 1/28付
ちょっと前の記事だけど、ブログメディア「Gawker」から、「The Daily」についての意見で面白いと思うので、引用します。また意訳*1。
Why the iPad Newspaper is Doomed Gawker.com
The Trouble with The Daily
- It's slow and backward
- The content is unfocused
- News Corp. sucks at the internet
- The business model is extremist
- It's a ghetto
- The alternatives are cheaper and smarter
- No tech talent
Reason for Optimism
- Steve Jobs is on Murdoch's side
- The iPad is exploding
- Fox News seemed pointless, too
- Not all iPad magazines founder
「The Daily」の心配なところ
- 日刊というのがとにかく「遅い」。むしろ遅れてる。
- コンテンツが絞れていない
- ニューズ社はネットをバカにしてる
- ビジネスモデルが極端すぎる
- ウェブやソーシャルネットワークから隔離されてる
- 他のアプリのほうが安いし、よさげ
- 才能ある技術者がいない
楽観論のワケ
ちなみに。
こちらの記事によると、「iPadオンリーの雑誌」はすでに出ているが、あまり成功とは言えない状況とのこと。
【レポート】iPad人気に乗れるのか? メディア王肝入り『The Daily』の微妙なスタート | ネット | マイコミジャーナル
iPadは2010年、世界で約1,700万台を売り上げ、2011年の予想販売台数は4460万台ともいわれている。
The Dailyは iPadローンチから10カ月目を迎え、パイが膨らんできたところで登場となるが、すでには登場している -- 2010年11月末に英Virgin Groupが創刊した「PROJECT」だ。
The Dailyが新聞に近いといわれているのに対し、PROJECTはエンタテインメント、旅行、ビジネスなどのテーマを取り扱うライフスタイル/カルチャーマガジンという位置づけだ。
「Apple Store」経由で提供されており、価格は2.99ドル。
Virgin Groupの会長Richard Branson氏自身が米ニューヨークのApple Store前でローンチ記念のイベントを行ったPROJECTだが、離陸はゆっくりのようだ。
Virgin側は数字を公開していないが、創刊から数週間後にクリスマスに合わせて期間限定で無料にしたが、大きな反響があった様子はない。
また、第2号のリリースも遅れた。このように、PROJECTは、現時点では大成功とはいえないようだ。
……
あと。
マードックはGoogleを毛嫌いしている。
この記事の後半を参照。
マードック氏は、2009年11月9日に自身が所有するオーストラリアのテレビ局が行ったインタビューに答えて、Googleに対し「我々のニュースを盗んでいる」と非難。
今後はGoogleによる検索によって自社の有料記事へ無料でアクセスされることを拒否し、オンラインの有料化を目指すと発言した。
とにかく情報が無料で流通しているいまの状況が嫌い。で、その状況を作っているGoogleも嫌い。
なので、自社傘下の新聞でも、有料課金の導入を積極的に進めようとしている。ここらへんを参照。
（そういえば、検索を経由すると有料記事が読める件は、解決したのだろうか）
というところで、明日の発表イベントにGoogleが新型Androidの発表イベントをぶつけてきたとのこと。
Tech Crunch 宣戦布告：Google、iPad（The Daily）イベントにぶつけてHoneycombイベントを開催
iPadのイベントはAndroidのイベントよりも少々早い時間に行われることになっている（かたや午前8時で、もう一方は午前10時だ。但しいずれも太平洋標準時）。ただそうした違いは大事ではない。このイベント開催日に、どちらがより大きなニュースになるのかというのが大事な点だ。タイミングとしては、AndroidがiPad陣営に戦争をしかけた格好だ。
発表イベントですが、Tech Crunchの他の記事によると、Googleのほうはストリーミングがあるそう。こちら。
記事の末文のように、「どちらがより大きなニュースになるか」が楽しみなような、怖いような。
