yuichi0613's diary

yuichi0613の雑記、写真、日々の記録。

『創』「出版界の徹底研究」も読んだよ

『創』2月号の特集「出版界の徹底研究」も読んだ。
マスコミ業界の一般的な流れを理解したいと思っていたので、とてもよかった。
内容は以下。

  • 苦境に立つ出版界とケータイ小説の新たな市場 座談会

植田康夫
清田義昭
松田哲夫

  • 三角波も襲う巨艦・講談社の苦闘前進

丸山昇

  • 業界トップ達成でも小学館の普段の改革路線

久保隆志

  • ブランド力を武器に集英社の新たな試み

道田陽一

  • 文庫好調で”堅調” 新潮社のつぎなる布石

長岡義幸

  • 看板雑誌健闘なれど文藝春秋の「雑低書高」

七瀬恭一郎

  • 縮小均衡ではなく拡大を!マガジンハウスの次の展開

長岡義幸

最初の座談会より。
「07年販売実績でいうと、11年連続、前年割れだという。
新刊点数もだいたい横ばい。
07年はミリオンセラーが数冊しかでず、これまで出たものをなぞったものが多かった。」
私、06年12月〜07年11月ベストセラー20冊のうち、1冊しか読んでいなかった^^;
まずいなこれ。
ダメね。

ケータイ小説の存在がやはりイッシューだった。
メディアの変革によって、新しい文学の可能性を持っているという話もあった。
ケータイ小説の「共感」というのがキーワードとのこと。
作品に対する価値評価は、その共感となる。
そこにおいては、文芸批評家の言葉は無価値になってしまう。

ケータイ文学は新たな文学となるのか。
が、まあお分かりの通り、文学を作り上げていく形成主体がケータイで小説を読み、書いている世代なんだよな。
いまは難しいだろうし、その共感は思春期の特徴ではないかとも思う。
世代を超えた文学の成長は見込めないのではないか。
あったら面白いと思うけども。

ほかには、博報堂の生活総合研究所の調査によると、子供にある種の読書回帰、活字回帰が起きているという指摘があった。
ちなみに、07年10月31日「子供の生活10年変化」より(pdf注意:参照)。97年と07年で比較している。
「本(全集・図鑑)」とあるが、ほんとうかなあ?
いま興味があることも「山のように本を読みたい」らしい。
出版業界は、次の世代にかかっているからなあ。