yuichi0613's diary

yuichi0613の雑記、写真、日々の記録。

『創』「広告界の徹底研究」をまたもや読んだよ

『創』3月号掲載の「広告界の徹底研究」を読んだ。
広告業界の動向はどうだろうか、気になっていたのでけっこう助かった。
内容は以下。

  • 環境激変のなかで広告会社を襲った危機とは何か

座談会
正木靹彦
植田正也
伊藤洋子

  • 激変!広告界で進む過重労働と非正規雇用

広告会社中堅社員匿名座談会

  • クリエイーターへのインタヴュー

黒須美彦
中島信也
澤本嘉光
麻生哲朗
福里真一
権八成裕
山本コージ

  • 元気が出てきた広告界にクリエイターとして何を発信するのか

箭内道彦
澤本嘉光
権八成裕

  • ガリバー電通が目指すデジタル化とグローバル化

道田陽一

丸山昇

  • 「Future Agency」を目指すADKの挑戦

小池正春

小池正春

またもや概観からはいる。

日本の広告ビジネスを引っ張ってきたテレビの高収益構造に翳りが見え始めている。それは、営業利益の対前年同期比較での減少に現れていて、収益率の低下が広告界にも起こっている。
そうしたなか、20世紀的な広告の役割は必要ないという「広告不要論」が欧米、とくにアメリカで出てきている。
日本ではまだそこまでいっていないが、日本の広告界も先を見据えて21世紀型のビジネス形態への転換が必要だとしている。
これからの広告業のビジネスモデルを植田氏は以下のように説明している。

「代理業から問題解決業への転換。
20世紀型(の広告業界のモデル)が、『メディアのタイムとスペースを右から左へ移すことによって、コミッションの何%か取るのを生業とするビジネスモデル』だったとすれば、これからの21世紀型広告会社経営モデルは『広告主が持っている、あるいは消費者が持っている問題を解決するためのマーケティング』だ。コミュニケーション戦略を提供して、その対価としてフィーが成立するような経営モデルに切り替えることが、広告会社の存在意義を保つことになる」
ここらへんはあまり解説がなかったので誤解しているかもしれない。
ここにいたった話が書かれていない。
読めていないだけならすまそ。

要は、テレビや新聞というマス・メディアの枠を、既得権益的に使った広告ではなくなるということか。
たしかに、テレビや新聞を使った広告が果たしてどれくらいのひとに、どれだけの影響を与え、どれだけの購買を促したかについてはなかなか実証するのが難しいところだ。
ひとりひとりに届いているのか、という問題。
それまでは不可能だったことだが、インターネットによってある程度、かなりの程度が可能になってきている。
マスメディアの対義語がよくわからないけど、まあそっちの方向だということだろう。

広告界の問題点について、植田氏は「消費者中心の世界になったことが理解されていないこと」だと言う。
ネット広告やブログのクチコミ・マーケティングが、広告業界の戦略をある程度相対化しているところがある。
広告業界には高見から、情報を上流から下流に流すという感覚がまだあるのではとし、自分達に主導権がまだあると考えているという。
「CMによるイメージ付け、じらし広告などが有効だと考える広告界のひとがまだ多い」とも。
そこで、
「広告というのは、本来、商品のスポンサーのいうメリットを、消費者のメリットに変換して訴求するものだと思う」
という正木氏のコメントが出てくる。
そうなると、「商品の使い勝手」というところが広告のポイントになる。
「使う側からの取材をしていかないと、広告のクリエイティブ自体が成り立たない時代が目の前にある」
これはもう広告ではなく、狭告だ。
ネットで検索したら、これは3年前の議論だね。
そうして、いままでになかった考え方を取り入れる必要性がでてくる。
「これからの広告は、ROI(投資対効果)をきちんと証明できるような方法をとらないと、ビジネスにはならない」

広告代理店という業態は、テレビとともにある。
今後はテレビの状態とともに、こちらにも注目したい。